クロスカブ(JA10)にオイル漏れが発生。カウンターシャフトのオイルシールを交換して対策した話

2022年の11月末ごろ・・・ふとオイル漏れしていることに気づきました。

ここのところ、特にクロスカブをいじっておらず、直近ではオイル交換したくらいだったので驚きましたが、ごく微量だったのでそのままにしておきました。

しかし12月に入り、少しずつ漏れる量が増えてきました。30分に1滴くらいオイルの雫が落ちてるのでしょうか。通勤では毎日同じ場所にクロスカブを停めるので、とうとうこんな感じになりました・・・。

で、どこから漏れているのか必死に調べたのですが、具体にエンジンのどこから漏れているのかは少し調べただけではサッパリ分からず。センタースタンドを伝って落ちてきているのは確実なのですが・・・。

とりあえず場所が分からないと対策しようがないのですが、そういう場合にも適用できそうな便利なケミカル用品がありました。KUREのストップオイルリークです。

製品の裏ラベルには、思いっきり「二輪車には使えません」と書いてありますが、Amazonのレビューには原付に効果があったとの書き込みがありましたので、とりあえず投入してみることに。

6Lのオイルに対して150mlとのこと。カブのオイル交換は600ml~700mlなので、15mlくらいが適量でしょうか・・・でも何か怖いので10mlだけ入れてみました。

オイルが明らかに硬くなりました。そして二週間くらい乗ってみましたが全く効果はありませんでした。漏れるオイルの量は全然減りません。


とりあえず、再調査をすることに。

「オイルシールが怪しい」とまずは仮定し、まずは何もパーツを外さなくても目視できるギアシフトスピンドル部、キックスタースピンドル部をチェックしましたが、乾ききっており、まったくオイルが漏れている気配はありません。

そして、偶然見つけたのですが、Lクランクケースあたりにも雫がありました。

こうなると怪しいのはカウンターシャフト部のオイルシールです。オイルシール3つの中じゃ一番負荷が高く、よく漏れるそうです。他の2つが漏れてないので、カウンターシャフト部と決めつけてかかることにしました(;´・ω・)


さて、作業を行うのですが、カウンターシャフトに辿り着くためには、かなりのパーツを外す必要があります。

Lピボットカバーとドライブスプロケットカバー、ついでに作業の邪魔になりそうなのでギアチェンジペダル、ステップも外します。

次に、カウンターシャフトを確認するためにはフロントスプロケットを外さないといけないので、チェーンを緩める必要があります。そしてこのためにアクスルシャフトのナットと、チェーンアジャストナットも緩めます。なかなかに手間です・・・。


さてようやくカウンターシャフトにたどり着けました。そしてこれは2年前にやらかした部分でもあります。

フロントスプロケット固定用のボルトと、スプロケットカバーのボルトは、径が同じで長さだけが違うのですが、当時、何か他の事を考えながら作業をしてたのか、長い方のボルトで締めてしまい、そのままボルトの先で圧をかけてしまった結果、カウンターシャフト周辺が変形してしまったのです。そしてオイル漏れが無いことを良いことにそのまま放置して2年が経過していました・・・(;´・ω・)

さて、カウンターシャフト周囲の金属が凹んでおり、凹んだ金属が横に延びてます。これでは金属が邪魔してオイルシールを外せないため、交換できません。

オイルシールを外せれば金属を楽に削ることができるのですが、金属を削らないとオイルシールが外せないという、卵が先か鶏が先かみたいな状況になってます・・・。


取り急ぎ、とにかく必要そうな工具とオイルシールを揃えました。

左からオイルシールを引っ掛けて外すためのフックセット、ダイヤモンドヤスリ(手動)、キタコのカウンターシャフト用オイルシール、電導ドライバー用のダイヤモンドヤスリです。

さて意を決して作業に取り掛かります。オイルシールすら交換したことが無いので非常に緊張感があります・・・。

パーツクリーナーで清掃するとこんな状態です。

フックセットでオイルシールが外せないかチャレンジしてみましたが、どうやっても全然出てこないので、早々に電動ドライバー+ダイヤモンドヤスリで、「出っ張っている部分」を削りにかかることとしました。

お分かりいただけるでしょうか。ヤスリの先端部分しか使えないため、非常に時間がかかりますが少しずつ削れています。(向かって右の方)

ちなみに、オイルシールのゴム部分は経年劣化のせいか、フックセットでこするとボロボロと剥がれて、シール内部の金属が簡単に露出してきました。

ちなみに、ここは事前に下調べしていたので、「シールがゴムのみで製造されておらず、内部に金属がある」ことを知っていたので焦らずに済みました。これを知らなかったら露出した金属にビビって作業を途中で止めていたかも知れません(;´・ω・)

その後、途中から電動ドライバーでは削る速度が遅いので、インパクトドライバーの高速回転で削りました。

そのおかげもあり、この写真、分かりづらいですが向かって右の方から、オイルシールの金属部が少し、フックで持ち上がる感じになりました。これはめちゃくちゃ嬉しかった・・・。

そしてとうとうオイルシールを外すことができました!!やった!!

外したオイルシールはこんな感じです。ボロボロになってますが、なるほど、シールのリップ部は内部のバネ(写真の向かって右)の力でより強く締まるようになっているのですね。

さて、ようやくオイルシールが取れたので、続けて今度は、新しいシールを挿入する際にスムーズに入るよう整形していきます。これはダイヤモンドヤスリ(手動)を使ってゴシゴシしました。

綺麗に削ることができました。これで新しいシールを圧入できます。ちなみにここまで作業開始から4時間くらいかかってます・・・w

ここから先は簡単です。新品のオイルシールにたっぷりグリスを塗って

(ちなみにエーゼットの万能グリースがコスパいいです)

カウンターシャフトに普通に通します。

オイルシールの交換に際して、たくさんのサイトを参考にさせて頂きましたが、リップ部を傷つけないようにガムテープやビニール等を巻いておられる場合が多いですが、私はなんとなく、シャフトに何か巻いて径が太くなる方が気になったのでそのまま通すことにしました。ただし慎重に・・・。

最後に押し込むところは、トルクレンチに付いてたソケットを使って、ゴムハンマーで軽く叩きました。

(このトルクレンチに付いてたやつです)

いくらでも押し込めてしまうらしいので、画像のところで止めておきました。ピッタリです。

ちなみに、「二年前にやらかした」部分がちょうど押し込む程度の目印になってます・・・w

その後、試運転してオイルが漏れていないことを確認、さらに通勤で20km走って漏れていないことの確認が取れました。

いや~さすがに7年・7万キロも乗ってると、この手のゴムはかなり劣化が進んでしまってます。軽くこじるとボロボロと剥がれたのは驚きました。これからゴム関係のトラブルがたくさん出てきそうです(;´・ω・)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする