(2022年10月29日の出来事です)
1年も経って今さらですが、Rクランクケースも開けてみたくなりました。(翌日は奈良カブだというのに・・・)
主にクラッチがあるRクランクケースを開けたくなった理由ですが、私としては遠心フィルターと、オイルストレーナースクリーンが非常に気になってました。
というのも、どちらもスラッジなどのゴミが溜まる部分です。私のクロスカブ(JA10)はもう7万キロ近くになってますので必ず相当量のゴミが溜まってます。そして、いつか必ず除去しないといけないシロモノです。
実は、来たるべき日(大げさ)に備えてガスケット↓
はとっくに買ってあったんですが、Rクランクケースを開けるのをずっと躊躇してきました。
というのも、Rクランクケースを外した際に、クラッチリフターカムプレートがコロンと落ちてくるらしく、
(1)カブを寝かす(巨大リアボックスを付けている私にはこれがしんどい)
(2)グリスを大量に塗布して、その粘度を利用してクラッチリフターカムプレートをなんとかくっつける(本当にくっつのか不安)
(3)シフトペダルを踏む(誰かに手伝ってもらうor重しを用意する)
この3つの方法のいずれかを取る必要がありそうで、どれもけっこう難易度が高いのではと感じて(実際難易度高かったです)、なかなか実行に移せませんでした。
ですが、どうも最近カブの調子が悪い。
・最高速が伸びない。(日常使いにおいては50km~場合によって60kmくらいしか使わないので問題ないのですが、ちょっとした登坂で加速ができない(トルクが出てない)のでギアを下げる必要がある。)
・エンジンオイルが暖まってくると、カタカタ(ガチャガチャ)というメカニカルノイズがする。
・オイルがヘタるのが早い(気がする)。一回ヘタると粘度が低下するのか、異音がするようになる。
ということで意を決して、今まで一度も開けてなかったRクランクケースを開けてみることにしました。ここを開けて何か解決するという目途は立って無かったですが、とにかく急に気になってきたのです(;´・ω・)
ということで作業開始です。なにはともあれ、まずはオイルを抜きます。
キックスターターペダルを外します。(経年のせいで固着しており、ボルトをかなり緩めないと(全部外すくらい)ピクリとも動きませんでした)
メインステップを外します。ここのボルト4つは以前外してあったので大丈夫でしたが、初めての時は鬼トルクで非常に苦労しました・・・。
マフラーも外す必要があります。(外さず横着しようとしてましたが、どうやっても無理でしたw)
いよいよRクランクケースを外しにかかります。ボルトが10本あるので少しずつ緩めていきます。(私はインパクトドライバーを使ってしまいましたが、実際には急に外すとボルトが折れる場合があるようで、少しずつ1本ずつ緩めていくのが最良の方法みたいです)
抜き終わるとこんな感じです。丁寧な人は、元の場所に同じボルトを戻せるように、段ボールとかに刺しておくみたいですが、私は横着なのでおおざっぱに場所が分かる程度に転がしておきました(;´・ω・)
さて、この後ですが、Lクランクケースを外した時と全く同じで、ガスケットが固着しており、手持ちのゴムハンマーでいくら叩いてもビクともしませんでした。(正解はプラスチックハンマーらしいです)
私は例によって横着なので、こじ開けるために(Lクランクケースを開けた時と同じくまたしても)タガネをコンコンしましたが、これをやると100%ガスケットを切ってしまうのがデメリットです。あとは、クランクケースにダメージがあるかもなので、真似しない方が良いです(;´・ω・)
さーてようやく開けることができました。
これが私の7万キロ近く乗ったクロスカブ(JA10)のRクランクケース内部です。
やたら汚れてます。特にケース下部にドロッとした汚れがあります。あと、こちらで見たのですが、安物の鉱物オイルを使ったり、オーバーヒート気味になると汚れると書いてありました。まさに私の使ってるのは安物の鉱物オイルですw、そして夏場は長距離(長時間)乗ると、オーバーヒート気味だったので、それでこうなったのかな・・・。
そしてとうとうお目にかかれました。オイルフィルター(オイルストレーナースクリーン)です。(余談ですが、カブのパーツって、色んな呼称がありますよね・・・メンテナンスマニュアルとパーツリストでも微妙に違ってたりするし・・・)
これ、ぱっと見、あまり汚れてないように見えたんです。そして、多くのブログでは、パーツクリーナーで清掃してるのですが、私の場合、汚れが完全に固着してました(;´・ω・)
パーツクリーナーでは一切落ちなかったので、結局、手で優しくこそげ落としました。
だいぶ綺麗になりました。(画像の関係でまだ目詰まりしてるように見えますが、全部綺麗に開いてます。)
ここで、ちょっとしたトラブルです。オイルストレーナースクリーンを抜く時にさっさと抜いてしまったせいで、取り付け方向が分からなくなりました。
が、幸い、メンテナンスマニュアルに記載があったので、事なきを得ました。
次は、遠心フィルター(ドライブプレート内面)の掃除を行うために、オイルフィルタロータカバーを外します。
こちらもとうとうお目にかかれました。遠心フィルターです。ぱっと見、あまり汚れていないように見えました。
しかし実際は違いました・・・。
周辺にびっしりこびりついているのは全てスラッジだったのです。これには驚きましたw
とりあえず、キリでそーっとこそげ落としました。
この日は風が強く、結構、吹き飛ばされてしまったのですが、こんな感じで大量のスラッジがこびりついてました。
せっかく開けたので徹底的に綺麗にしてもいいのですが、とりあえず目立つ部分だけ取れたのでヨシとしました。
オイルフィルターロータカバーも綺麗にします。ここ、ガスケットなんですよね。遠心フィルター内に貯まったスラッジが外部に出ていかないようにガスケットがあるんでしょうか。本来はこれも新品に交換しないといけないのですが、準備不足で手元になかったのでそのままにしておきました(+_+)
さて目的は達したのでここから組み上げていきます。オイルフィルターロータカバーは、ネジロック剤をつけて、5N・mという微細なトルクで締めるようです。ふるさと納税で貰ったデジタルトルクレンチがあったのですが、使わずにまぁこんなもんかと適当に締めておきました。(いいのか・・・)
さて、次が最大の難所。クラッチリフターカムプレートです。
なるほど・・・普通に付けただけではコロンとすぐに落ちてきます。噂にたがわぬウザさです(^ω^)
あと、ここも要注意です。Xの文字のところに「合わせる」必要があります。
ここ、先達のブログとかを事前に読んでてもよく分からなかったのですが、クラッチリフターカムプレートを取り付ける際に、3パターンくらいの取り付け位置があります。そのうちの1つのパターンだけがXの文字に合うという意味でした。
さて、Xの意味も分かったところで、クラッチリフターカムプレートの取り付け作業に戻ります。グリスをベタ塗りしてみましたが、全然ダメでした。コロンと落ちてきます。
(しかし、後で気づいたのですが、センタースタンドを立てて、ほんの数度、車体がコケない程度に傾けるのであれば、このグリス法も非常に有効だと思います。)
結局、
(3)シフトペダルを踏む(誰かに手伝ってもらうor重しを用意する)
を採用することにし、奥様に手伝ってもらうという最後の手段wにより、なんとかカバーを取り付けることができました。
ちなみに、ブログでレンガ等を使ってクラッチに重しをしている方がいたので、1.5Lのペットボトルで簡易的な重しを作ってみましたが、1.5Lでは少し重さが足りませんでした。2Lならいけるかも知れません(+_+)
↑これは役立ちませんでしたw
で、クランクケースを閉じる前に、気になっていた2本のボルト、錆があまりにも酷いものは例によってサンポールで錆びを取りました。ちなみにサンポールで錆びを取った場合、すぐに油を射さないとすぐに錆びてきます。
さてあとは10本のボルトをしめてこれで無事に作業完了。
・
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とはなりませんでした。
おわかりいただけるでしょうか・・・。オイルがこぼれまくってます。
ちょっと余裕が無かったのでこの写真しか撮れなかったのですが、クランクケースを締めて、オイルを注入したところ、ドバドバとオイルが漏れました。そりゃもうドン引きするくらいに(;´・ω・)
すぐに気づきました、Rクランクケース用のガスケット、横着してそのまま再利用してたので、漏れて当たり前でした。この時点で夕方の5時・・・やばいです。
さて、まず、ケース側に固着している古いガスケットを剥がさなくてはなりません。またもや余裕が無くて全然写真を撮れてなかったのですが、この古いガスケット、さすが6年7万km分です。Lクランクケースを開けた時とは比べ物にならないくらい硬質化しており、全然剥がれてくれません。
これが夜8時半くらいの状態です。3時間半経過してもまだだいぶ(手ごわい部分ばかり)残ってます。
これ以上は無理となり、その日は作業を終わることにしました・・・。(奈良カブ一緒に行こうと約束してた人に多大な迷惑をかけました・・・申し訳ない・・・)
翌朝は日の出前、5時半くらいから作業を行いましたw
だいぶ綺麗になりました。時間があればもうちょい綺麗に出来たかと思います。
本体側はほとんどガスケットが残っておらず助かりました。ガスケットにも向きがあって、本体側は固着しないような成分で出来ているのでしょうか?
さてなんとか組み上げて(朝早く起きてきてくれた奥様に感謝・・・)試運転してみます。
ちょっとここで大事な手順なのですが、私は作業場所が傾斜してるので、ついいつものクセで、水平な場所にカブを移動させてからオイルを入れようとしてしまったのですが、まず、何はともあれ、オイルを入れ、クラッチ調整を真っ先にするべきでした。
私は、N(ニュートラル)にシフトチェンジしないまま移動させようとしたので、非常に苦労しました。(ギアが入ってるので後ろにしかカブを押せない)
また、クラッチリフターカムプレートを取り付ける際に、シフトペダルを押してるため、ギアが変わっており、しかもクラッチ調整が出来てないので、クラッチがグラグラでNの表示も出たり出なかったりで、一瞬、「X」合わせに失敗したかとヒヤりとしました(;´・ω・)
さて肝心のRクランクケースを開けて清掃した結果ですが、作業前はオイルフィルターの目詰まりが酷かったんでしょうね。オイルが明らかによく回るようになったのが体感できました。明らかに異音が減り、結構最近悩んでた熱ダレが無くなりました。また、スピードが伸びやすくなった気がします。
もっとも嬉しいのは熱ダレが改善したことで、夏場とか、ちょっと遠出すると明らかに異音がしてたのが凄く改善しました。
ずっと夏場は、オイルの粘度が高熱で失われてるのではと思ってたのですが、実際にはその高熱の原因を作り出してるのが、オイルの循環性が失われていたことが原因だったのかも知れません。
というか「オイルの循環が体感できるくらい改善」というのは、カブの状態としてはだいぶヤバかったのかも知れません。まあ、あれだけフィルターが目詰まりしてたら流れも悪くなりますわ・・・危なかった(;´・ω・)